神道〈いのち〉を伝える 葉室頼昭著 春秋社
葉室さんは、今の日本の不景気の理由を次のように言われます。
その職業ごとに、本当のいのちというのがあるでしょう。たとえば銀行だったら、企業にお金を貸して、企業が運営できるようにするのが銀行ではないですか。それをバブルのときにやめてしまって、おのれの利益のために不動産投資をしたりしたから、崩壊してしまったんでしょう。本当のことをやっている企業は、バブルがはじけてもビクともしません。そういう本当のことをやりなさい。そういう時代だと言っているんです。いまは大嘘ばかりです。
ですから、本当のことをしなければいけない。神さまのお知らせだなということに気がつきなさいと言っているわけです。そういうことに気がつかない前に景気が回復したらダメだと思います。道を間違えます。だから、とことんまで不景気になって、なるほどこれはいままでのやり方は間違っていたといういことに気がつくことです。そういうことに気がつけば景気が回復すると思います。
そのためには、リストラをやった企業がどうなるか、みんなで見ていましょう（笑）。
−−そうすると、景気回復の妙法というのは、本当のことに気がついて実践していくということですね。
そういうことです。すべては循環、バランスです。日本は循環ができていないでしょう。お金は持っているけれども、お金が循環しないから、不景気になっているんでしょう。だから、そういう目先の欲ばかりに走らないで、そういうときだからこそ本当のことをやりなさい。こう言っているんですが、現実はまだまだ程遠いですね。
−−我欲でやってしまうというか、そこが問題ということでしょうか。
本当にそうですね。これでは自分で自分の首を締めてしまうわけでしょう。大事なのは、本当に日本人は人の幸せを考えれば自分が幸せになるという考えを持っていたんですね。これが非常に大切です。どうやったら人が喜んでくれるかということを考えなさいと、いつも言っているんです。
すべては循環とバランス、それから人の幸せのために生きる。これが原点です。（84p）
自分にとって“本当のこと”とはいったい何でしょうか。
今、自分は“本当のこと”を行っているでしょうか。
与えられ、させていただいている仕事が、いつしか自分の利益の為だけを考え動いてしまうことも多いです。
常に点検して気をつけなければならないと思います。
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最終更新日：2009年12月12日
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