人生のしくみ
越智啓子著 徳間書店
すべての人にはそれぞれ使命があるといわれています。
※最近の研究によれば、人生での課題を自分で決めて生まれてくることがわかっています。
いろいろな人生がありますが、精神病で苦しんでいる方の人生から、本人は、まわりの人は、どのような学びがあるのかと常々思っていました。
越智先生が、その疑問に答えてくださっています。
エネルギー体としてこうした患者さんたちを診（み）ていくと、肉体と霊体のずれが生じている場合がほとんどです。そしてずれた分だけ、窓ができるのです。その窓の外から、光に帰らず、地上近くに残っている霊が顔をのぞかせて、ちょっかいを出してくるのです。
自分にちゃんとはまって、地に足がついた生活をし、明るく元気に人生を謳歌（おうか）している人は、霊体と肉体がずれていないため、迷っている霊のほうから見えることもないし、見えたとしても触れられないのです。英語では、この状態のことをグランディング（grounding）しているといいます。
つまり、いまの人生が嫌で、死にたいとか暗く悩んでいたりすると、だんだん肉体から霊体がずれてきて、エネルギーも暗〜く、重〜くなってきます。そうなると、同じ悩みで亡くなった霊と波長が合ってしまい、向こうから見えて、触れられるのです。（107p）
ふつうは、死を迎えると、光エネルギーが肉体を離れて、軽やかにあの世（光の世界）へと旅立っていくのですが、肉体のすぐそばを覆っていた波動層に、重い感情エネルギー（恨みや憎しみや後悔など）が大量にたまっていると、重すぎて飛べないのです。迷っている霊はそうした重い者たちなのです。その重い感情エネルギーと波長が合ったときに、ぴたっと霊ちゃんが憑きます。そして、憑いた人の光エネルギーをもらうことで軽くなり、あの世へ上っていけるのです。
いままでの解釈だと、人は霊に憑かれると何もいいことがなく、運が悪いとか敏感でかわいそうとか、被害者として思われていました。ところが憑かれた人々は被害者なのではなく、自分で意識しないまま自分の光エネルギーを霊に供給して、霊が光に帰るお手伝いを立派にしているのです。私はこれを「光の仕事」と表現したいのです。
これは、本人が無意識でやっている消極的な「光の仕事」ですが、もちろん、積極的に祈ることでの「光の仕事」もあります。「祈り」はとてもパワフルな「光の仕事」です。（110p）
重くて飛べない霊たちはよく“地縛霊”などともいいますね。まさに光の世界へ上れず、地面に縛り付けられたかのようです。
すべてのものは波動ですから、自分も同じような波長を出していればつながってしまうのです。
奈良の春日大社の宮司である葉室頼昭さんは、『神道 感謝のこころ 春秋社』で次のようにいわれました。
その神さまの意志に従って神の世界を見るためにはどうすればよいのかというと、感謝しかありません。感謝すると神さまの波長と一体になり、そこに神さまの世界が現れるのです。
ここで、テレビの仕組みを思い出していただきたいと思います。地球上では、電波は放送局を通じて世界中に送られています。これをテレビ画像に現わそうとするとき、テレビ受信機から放送局と同じ波長の電波を出して、これに放送局の電波が同調して画面に映像が現れてくるという仕組みになっています。
この仕組みと、神さまの世界の仕組みは全く同じです。まるで、人間が発明した機械ではなく、宇宙の真実の仕組みを実体化しているもののようにも思えるほどです。
というのは、神さまと同じ波長を少し出せば、神さまの世界が現前に現れてくるということなのです。この神さまの波動こそ、無我の感謝なのです。理屈を考えない感謝の心をもてたら神さまの世界が現れてきます。難しいことでもなんでもありません。感謝さえすればよいのです。
理屈のない無我の感謝ができたら、すぐにでも神さまに会えます。簡単なことです。ですから神道はシンプルであり、ややこしい教理教典がないのです。（158p）
神様と同じ波長を出せば神様につながる、迷える霊と同じ波長を出せば迷える霊とつながる。越智さんも葉室さんも結局同じことをいわれています。
感謝の生活がいかに大切なことであるかがわかります。
苦しみの渦中にいるとき感謝して生きることはとても難しいことだと思います。その苦しみも生まれる前に自分で決めた成長するための課題だと頭でも理解しておくことも必要だと思います。これが納得できたら、どんなことも人のせいにすることなく、“恨みや憎しみや後悔”なども少なくなり苦しみに埋没しずらいのではないかと思います。
とはいっても苦しみの渦中にいるときは、苦しみを軽減するためにも緊急に対処療法が必要です。これをないがしろにすることはもちろんできません。これにはまわりの人々の協力が大切なのだと思います。
現実問題として解決する方法をさぐりながら平行して大きな視点でみることができたらと思います。
「光の仕事」について越智さんは
精神病の症状がひどく、たとえ社会での仕事ができないような人であっても、霊的には「光の仕事人」をちゃんとやっていて、大いに役立っているのです。そのことがわかると、それだけでも感動的です。（117p）
病気の間に、霊たちにしか見えない「レンタルクリニック」を開業して、立派に「光の仕事」をしているのだと。これは、この地上では評価されませんが、あの世に戻ると大評価されるのです。でも現在では、あの世の常識の一つである「生まれ変わりの科学」がだんだんとこの世でも常識になりつつあるのですから、「レンタルクリニック」や「光の仕事人」の事実ももっと知られてきていいのではないでしょうか？（133p）
といわれています。
精神病の方々が身をていして霊たちにエネルギーを与えていることを知って驚きました。
自分が苦しみを引き受けて多くの霊たちを癒やされている方たちは本当に尊い仕事をされているのだと思いました。
越智さんのクリニックでも過去生療法やアロマテラピーなどによる治療や、「光の仕事」のことを知り意識がかわることによって病状が改善する方が多くいらっしゃるそうです。
「光の仕事」が社会的に認知され、さらに多くの精神病の方や迷える魂たちが癒やされるようになればと思います。
更に越智さんは、
前にご紹介したように、最近、霊媒体質（サーダカ）の悩み相談にくる患者さんに、究極の愛と笑いの方法をすすめて、びっくりされています。
「いまは、もう二十一世紀、霊を払っている場合じゃないのよ。これからは、霊に一瞬で光の世界へ帰ってもらうの、愛と笑いで。霊をタックルしたりハグしたりして、ついでにほっぺにチュをするのよ」
「えーっ、霊にキスするんですか？聞いたことない。どうやって霊を払うかを聞きにきたのに」（143p）
なにより素晴らしいのは、いままでの「霊を払う」という「排他的な冷たい意識」から、「愛と笑いで霊を抱きしめキスをする」という、「無条件の愛の意識」へと大きく変わることです。
霊に対する怖さがなくなり、ついでにほかの価値観までもが連鎖反応的に変わってしまうのです。中には、そんなことしたら、霊に取り付かれて大変なことになってしまうとおびえる方がいらっしゃるはずです。でも、こちらが愛と笑いの光でまぶしくなっているから大丈夫なのです。どうぞ、安心してやってみてください。体が軽くなりますよ。（145p）
といわれます。
「愛と笑いで霊を抱きしめキスをする」というのにはびっくりしましたが、これは本当にすばらしいことだと思います。
これまでは“除霊”というのが多すぎたと思います。
取り除いたり、追っ払ったりするだけでは、結局迷っている霊が移動するだけで根本的な解決にはならないと思います。
以前、霊的な治療もする医療関係者とお話をしているとき、この方が治療室に置いてある不動明王の剣（物質的には見えません）で悪い霊を“たたきのめす”とか“あやまらせる”というようなことを言われるのを聞いて非常に違和感をもった覚えがあります。
霊的に感じる方がみな越智さんのように霊に接してくださったらいいな、と思います。
この本には愛のエネルギーがつまっています。
読んでいてとても元気のいただける本です。
是非お読みになってください。
※最近の研究
医学の発達により世界中から報告されるようになった「臨死体験」や心理療法のひとつの催眠の技術が発達したことによる「退行催眠」によって「過去生」の存在があきらかになりました。これらの研究により“生の意味”が明らかにされつつあります。
福島大学助教授の飯田史彦さんが書かれた『 生きがいの創造 』（PHP研究所）ではこれらの研究をわかりやすくまとめてあります。（『 生きがいの本質 』『 ブレークスルー思考 』『 生きがいの真実 』などの飯田さんの他の著書も読まれると一層理解が深まります）
ご近所の図書館で借りて読みたい方は国立国会図書館総合目録にて検索なさってください。 |
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最終更新日：2008年12月12日