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人はなぜ生まれ いかに生きるのか

人はなぜ生まれ いかに生きるのか

江原啓之著　ハート出版

　この本は江原さんの初めて書かれた本で江原さんの生い立ちから語られています。
　江原さんは幼い頃から霊的能力をお持ちで、まわりの人々との違いに驚き、奇異な目で見られることにとまどいました。
　その後、母親の死や次々と起こる激しい心霊現象、経済的困窮などに苦しみました。
　諸霊や多くの方のお導きでそれらの苦しみも人の心を理解し全ての人を愛することに近づくための、天からの贈り物であったことに気づき、霊能者としての道を歩むことになりました。

　江原さんは言われます。

　人間とは肉体だけの存在ではなく、肉体と霊魂からできているのです。人は死んでも霊魂は生き続けます。
　もし、あなたが人生がつらくて不幸なものだと考えているのならば、このことを知ることは、あなたが生きていくうえで大変重要なことなのです。
　確かに人間が百年足らずで消滅してしまう肉体だけの存在だったら、人生はつらいものかもしれません。どんなにまっすぐに生きようとしても、どんなに一生懸命に生きようとしても、すべては肉体の消滅とともに無に帰ってしまうのですから…。
　極端な話、人を傷つけ、やりたい放題に生きたほうが幸福に思えるかもしれません。自分のことだけを考え、他人からは奪うだけの人生のほうが最上ということになってしまうでしょう。
　この世界が物質のみの空間と時間で支配されているとするのならば、幸福も物質的・肉体的なものに限られてしまうのは当然のことです。
　しかし、この世界にある物質はすべて有限です。有限のものを中心に幸福が存在すると、その幸福も有限なものになります。その結果、有限な幸福を求める略奪戦が人々の主目的となってしまいます。
　あなたとはまったく関わりもない。あかの他人はもちろんのこと、隣人に対しても、衣食住から五感六欲（食、性、名誉、睡眠…）についても、騙し、奪い、あるいは殺してでも他人を出し抜くことが喜びとなってしまうでしょう。目に見える物質のみに価値があるという考え方をするならば、人に与えることは自分が損をすることにほかならないのです。
　このように人間が物質のみで構成されるという考えからは、当然刹那的な利己主義しか出てこないのです。しかし、現代ではこの経済（物質）至上主義がもてはやされているというのが本当のところでしょう。そして、そのなかで、とりとめのない孤独感や不安にさいなまれ、強いストレスによるノイローゼに陥ったあげく、自殺にいたるケースも多いのです。
　誰もが漠然とした不安をぬぐいされないでいる。だからこそ、目に見えるもののみにすがろうとする。
　このため人は人に優しくすることができなくなり、思いやりも愛もなくなります。こうして、個人ばかりでなくすべての人々を不幸にする「不幸の生活原理」のみが幅をきかせてしまうのです。
　しかし、この考えは間違っているのです。人間は肉体を持った霊だからです。
　私たちの霊は無限に続いているのです。肉体は滅び、消えてしまってもなお、私たちの魂は生き続けていくのです。今あなたがどんなに肉体を飾ろうと、そんなものは肉体が消滅すればはかないものです。
　皆さんがこのことを知ることによって初めて、そこから精神（心）こそが、もっとも大事なものであるという考え、在り方への転換が可能になるのです。
　物質的な喜びは束の間で空しいものです。
　私たちがこのことに気づくとき、私たちの人生は変わります。人々は奪い合う相手ではなく、共に生きる魂の仲間となるのです。
　心に愛を持ち、他人を思いやり、人のためにも生きられるとき、どんな宝石よりも私たちの気持ちは輝きます。
　この皆さんの気持ちが、経済至上主義という物質信仰によって痛めつけられ、壊れかかった世界を救う唯一のものなのです。

　今世界中に争いの気が充ち満ちているようです。
　日本の国内をみても相変わらず政治家や大企業のトップまでもが自分の利益のために狂奔し捕まって（12月２日武富士会長武井保雄容疑者盗聴の疑いで逮捕：12月６日衆議院議員、近藤浩容疑者買収の疑いで逮捕）治安もここにきて悪化の一途をたどっているようです。

　これらの出来事の根本的な原因はやはり自分が霊的存在であることを忘れ、物質世界のみに焦点を当てた生き方からきているのではないでしょうか。
　いろいろな解決策が模索されていますが、頭で考えた理屈だけではどうしても限界があり、根本的な解決は難しいと思います。解決には霊的世界からの視点が必要になってくると思います。
　理性で考えた政策とともに一人一人が輪廻転生、因果応報の事実を知り霊性の進化向上をめざすという霊的視点を持ち、自分を高める努力が必要なのだと思います。

　いつもしつこくて恐縮ですが…、江原さんが優秀な霊能者でその語られることがたぶん本当だろうとは思っても、これまではただ信じるしかありませんでした。
　ところが※最近の研究によって輪廻転生や因果応報の存在や生の意味、死の意味についても明らかにされつつあります。
　そういう意味でも昔から宗教等で語られてきたことを絵空事と簡単に片づけるのではなく、真剣に考える時代がもうきていると思います。

　この本には大切なメッセージがたくさんつまっています。
　是非お読みになってください。

※最近の研究
　医学の発達により世界中から報告されるようになった「臨死体験」や心理療法のひとつの催眠の技術が発達したことによる「退行催眠」によって「過去生」の存在があきらかになりました。これらの研究により“生の意味”が明らかにされつつあります。
　福島大学助教授の飯田史彦さんが書かれた『 生きがいの創造 』（PHP研究所）ではこれらの研究をわかりやすくまとめてあります。（『 生きがいの本質 』『 ブレークスルー思考 』『 生きがいの真実 』などの飯田さんの他の著書も読まれると一層理解が深まります）

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最終更新日：2008年12月9日