月のおくりもの 日木流奈著 大和出版
1998年から99年（８歳〜９歳）までの、流奈さんあての電子メールでのお便りと、それに対する流奈さんのお返事が収録されています。
何げない素朴な疑問から深刻な悩みまでの的確なお答えに思わずうなります。是非読んでみてください。
書き下ろしのメッセージの一部をご紹介させていただきます。（25p）
光の“わ”が地球を包むとき
私はいつも夢見ています。だれもだれかの上に立つこともなく、だれかより下だと嘆（なげ）くこともなく、ひとより物を持っていないと不安に陥（おちい）ることもなく、ただ創造（そうぞう）という、神の世界を人間が実現することを。
私の中で、神とは初めからあるものでした。特定の宗教の……という意味ではなく、すでにあったのです。私は世でいう奇跡（きせき）を起こす者ではありません。本当にただの子供で、ただの脳障害児なのです。あなたと同じように肉体を持つ、一人の人間なのです。ただ、私は初めから神と共にありました。私の中ではほかの言葉が見つからないのです。
誤解するかたもいらっしゃるかもしれません。それは神というものを誤解していると思うのです。まったく特別なものではないのです。本当に。
世の心の学びの指導者たちは、自分より弟子を成長させることになかなか成功しなかったことに問題があると、私は感じます。本当はだれでも瞬間にしてその気づきを得ることができるのです。すでにたくさんの修行者たちがいて、たくさんの探究者（たんきゅうしゃ）たちがいて、私たちは修行を特別にやる必要もなく、気づく時代が来ているのです。本当は昔から必要などなかったのですが。生きているだけでこれだけ皆、悩むのですから、すでに苦行（くぎょう）といえるでしょう、生きることが。
よく仏陀（ぶっだ）も苦行したといいますが、勘違いしてはいけないと思います。彼はその必要がないことを悟（さと）ったのです。
ただ、したい人はどんどんしてください。それもまたその人の道ですから。まったく悪いことはありません。そのほうが気づきやすいのならば。
人にいちばん必要なのは、自分をみつめる時間だと思うのです。自分を感じる時間だと思うのです。自分を含め、他人を評価したり、判断したりせず、見つめる時間。
世の中で起きている現象は、あなたが作った幻（まぼろし）であることに気づけばいいのです。同じことが目の前で起きても、そこに居合わせた人はだれも同じことは言いません。その出来事は、あなたの心が感じ、生み出したものなのです。あなたが作った現実を、あなたはあなたの力で変えることができるのです。人の力とはそれほどまでに強いと私は思っています。
私は世の中で何が起こるかということにはあまり興味がありません。何が起こるかというより、起きたときどうするかのほうが興味があります。要は、人の心が確固たるものになれば、何が起きても怖くはないということなのです。どんな現象が起きてもです。
あなたはまずあなた自身の恐怖を愛に変える必要があります。それだけであなたは何が起きても愛そのものとなることでしょう。未来はあなたが変えるのです。だれかがではありません。
共鳴し合った“わ”はつながり、光の“わ”が地球を包んだとき、私たちは戦うことの無意味さ、人の上に立つことの無意味さを知ることでしょう。人はただ結びつくだけでいいと知るでしょう。戦うことを望む人たちは、心の内に恐怖を飼（か）っているのです。その人たちの恐怖も薄らぐよう、いっしょに祈りましょう。
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最終更新日：2008年12月12日
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