ひらけ扉 日木流奈著 大和出版
『ひらけ扉』は東京都の杉並にある浄土宗栖岸院（せいがんいん）のお寺通信『栖岸（せいがん）』連載の『月影の詠（つきかげのうた）』と、「地球大学へのメッセージ」、また新たな書き下ろしからできています。
流奈さんの考えさせられるたくさんのメッセージがつまっています。
昨年末から父の調子がよくありませんでした。
日常生活上気をつけていた方がいいことがたくさんあり、「こうした方が楽だよ」と言ってもいろいろな理由で実行してもらえないこともたくさんあり、 「何で自分で注意しないんだろう？」とお恥ずかしながらイライラしてしまうことも多々ありました。
そんな時にちょうどこの本を読ませていただき、心にズシン、とくるものがありました。
僕は本当に父のためだけを思って言っていたのだろうか。
自分の言っていることは本当に正しいのだろうか。
こうじゃなきゃいけないのだろうか。
また、いろいろと考えるきっかけを与えていただいて感謝しています。
一部、ご紹介させていただきます。
119p〜
心ある人よ、
押しつけることなかれ
◎'98年4月11日
大分県日田市の地球大学講演会へのメッセージ
『心ある人よ』
心ある人よ
押しつけることなかれ
あなたがこの世で得た知識も道徳も
すべての時
すべての事象
すべての人に当てはまるとは限らない
そのあなたの優しい思いが
傷つけることがあるのだと知ってほしい
あなたが判断を下す人々は
あなたが思っている以上に自分で決めることができるのだ
あなたの神に頼らなくても
己の神を持っているのだから
放任しろと言っているのではない
見守る勇気を持ってほしい
あなたの子供が
あなたの生徒が
あなたの部下が
あなたの意にそぐわなくても
心配することなかれ
思い煩（わずら）うことなかれ
あなたが心の平静を持ち続け
あなたがあなたを示し続ければ
あなたに合う人は必ずいる
あなたがあなたより下だと思っている人は
本当はあなたの教師です
あなたが教えようとしている人は
あなたの人生の師です
それに気づけば学べます
立場が上の人は見守る義務があります
信じて見守る義務があります
それが親になることを選び
先生になることを選び
上司になることを選んだあなたの義務です
あなたの気持ちから相手への非難を取り除けば
あなたが未熟でも相手はついてきます
おべっかを使うことはありません
あなたが思っているより
あなたが下だと思っている人たちは
多くの叡智（えいち）を持っています
自分で気づかず表現できないだけなのです
認める勇気と
見守る勇気
今あなたに必要なのは
その勇気です
専門家の肩書きのある人よ
常に素人であったときの気持ちを忘れることなかれ
あなたのいうことをきく人形を作りたいのか
あなたが目指す理想を実現させたいのか
もう一度考えてほしい
方法があなたのものでなくても
あなたの理想の実現は可能だ
方法は重要だが
それにこだわることなかれ
こだわる者は必ず失敗をする
遠回りに見えても
人々の心に宿る各人の心の神に任せるがいい
もう一度言おう
気づくまで見守り示し続けよ
それでもあなたと違う方法をとる者もいよう
それでもいいのだ
その者が目指す道が違っても
その者が行こうとさえしていれば
道は開けるのだから
だから思い煩うことなかれ
あなたはあなたの道を行け
あなたの心が向くべきところに向いていれば
迷うことはあっても
着くべきところに着くのだから
心ある人よ
押しつけることなかれ
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最終更新日：2009年12月12日
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