拝島橋は国道16号線上の橋で昭島市と八王子市の間にかかっています。
橋のできる前は渡し舟で行き来していました。
写真は拝島橋の上流約100メートル（目測）の地点から拝島橋と多摩川を撮影したものです。右に立っている棒は昭島清掃工場の煙突です。
●地図はこちらです。
拝島の渡（わた）し （拝島橋の脇（上流側）にある案内板より
拝島橋の上流百メートルほどのところに、その昔、“拝島の渡し”と呼ばれる日光街道の渡し場がありました。日光街道は、江戸時代初期の慶安（けいあん）年間（一六四八〜五二）に、八王子千人同心（せんにんどうしん）が日光勤番（きんばん）に赴（おもむ）く際の往還（おうかん）路として開かれた公道で、江戸時代を通じて上州（じょうしゅう）（群馬県）方面と八王子を結ぶ重要な街道として機能（きのう）していました。
この渡しの管理は拝島村によって行われ、数人の船頭（せんどう）さんが常駐（じょうちゅう）して随時（ずいじ）船を往復させていました。
もっとも、船を運行したのは春から秋にかけてで、冬の渇水期（かっすいき）には数艘（すうそう）の船を流れに浮かべ、その上に板を渡した浮き橋（はし）に仕立てることもありました。文久（ぶんきゅう）元年（一八六一）の記録によると、渡し賃（ちん）は平水時（へいすいじ）が一人二十四文（もん）、大水の時は割増料金を徴収（ちょうしゅう）する、といった定めがありました。
明治時代に入っても、なおさかんに利用され、昭和十年代には八王子−川越（埼玉県）間を走る定期バスが、この渡し船を利用して多摩川を渡ったこともありました。しかし、明治後期から昭和初期にかけ、鉄道網（もう）・道路網（もう）の整備が進み、拝島の渡しは次第にすたれ、昭和二十年ごろにはほとんど利用されなくなり仮設（かせつ）の木橋が架（か）けられて、細々（ほそぼそ）と機能しておりました。
その後、昭和三十年、拝島橋が開通し、この地は再び重要な渡河地点（とかちてん）となって今日に至（いた）っています。
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