永平寺の朝

　　インターネットで『永平寺の朝　〜大梵鐘と般若心経〜』（日本コロムビア）というＣＤが出ているのを知り早速購入してみました。

　永平寺の朝は振鈴（しんれい）というベルを当番が走りながら鳴らして皆を起こすことからはじまります。
　その後も坐禅や読経、食事など一切の行動は「鳴らし物（ならしもの」と呼ばれる鐘や太鼓などの音の合図により行われます。（ただ鳴らすだけでなく回数や間隔、音の大小など細かく決められていて慣れるまでは間違えてばかりです＝怒られます（痛！））
　暁天（きょうてん）と呼ばれる朝の坐禅の時、除夜の鐘でおなじみの大梵鐘（おおぼんしょう＝大きなつり鐘）を１分50秒間隔で18回鳴らすのですが、このＣＤではそれを省略なしに延々と録音してあることがウリです。
　１分50秒に１回鳴らすのですから音の出ている時間より無音の時間、または余韻の小さな音の方が長いという興味のない方には何とも退屈この上ないＣＤなのです。

　鳴らし物の場所は境内に点在しているのですが、録音の場所等も適切でとても臨場感があります。
　目をつぶって聞いていると永平寺の朝の様子が鮮やかによみがえってきました。
　誰にでもお薦めできるものではありませんが、永平寺の朝の様子が知りたい方や永平寺での朝の坐禅の雰囲気を味わいたい方にはとてもすばらしいＣＤだと思います。